2009年6月24日水曜日

抗がん剤に対する不安

今日は患者さんとたくさん話をしました。
そのまま書いてしまうのは、個人情報の問題がありますので、
適当にアレンジして書いてみます。

「こんなに体調が悪くなって、ほんとうに大丈夫なんですか??」

術前化学療法で、吐き気がとっても強く出た患者さんに、問いかけられました。

「薬の説明書を見ると、ショックとか、心臓に悪いとか書いてあるし、
 私のこないだの状態は、心臓がおかしいのかショックなのかと思って、
 とても不安でした。」

こういう訴えが強い場合、医療者の視点では、
「不安の強い患者さん」と見なされることが多いです。
でも、不安なのは当たり前で、患者さんはみんな不安に思っていますが、
それを口に出せるか出せないかの違いではないでしょうか。

患者さんの思い、おっしゃる通りだと思います。
どちらかというと、治療が始まる前に、しっかり説明できていなかったせいです。
薬剤師はまだまだ、さぼっています。


「抗がん剤を打っているのに転移したのは、なにが悪かったのでしょうか?」

再発後に化学療法を受けている患者さんに、問いかけられました。

「ずっと抗がん剤続けてたのに転移するなんて、こんな人、他にもいるんですか?

大きくうなづきました。
「非常に残念なことですが、たくさんいらっしゃいます。」と答えました。
がんの進行は確かにショックなことだと思います。
でも、今のところ再発、転移による症状はありません。
それが大事なところであり、治療の目標なんですが、
このゴールを共有することは容易ではありません。


いずれの患者さんも、訴えが非常に強く、不安な気持ちでいっぱいで、
話したいことがたくさんあります。
現在の、流れ作業をこなさざるを得ない医療現場では、
ある意味「困った存在」と思われることもあります。

だけど、患者さんの訴えには素直に耳を傾けるのが、医療従事者の使命です。
いろいろ訴えていただけるから、その声に応えるために、医療をより良くできます。

治療に関する不安をひとつひとつ解消することで、
じっくりお話しをすることで、少しでも、立ち向かう勇気を持っていただけたら、
こんなにうれしいことはありません。
薬剤師にできることも、まだまだたくさんあります。

こんな気持ちにさせてくださる患者さんのことを、とっても愛しいと思っています。