世の中のことをよくわかっていないので、
池上彰さんのニュース解説はとってもわかりやすくて大好きです。
この本は、最近話題になったニュースが盛り込まれていて、
また、一方からの見方だけでなく、背景や歴史を踏まえて俯瞰的に考えさせてくれます。
特に、イスラム国や中国といった、私たちにはちょっと理解しづらい考え方も解説してくれており、
「ふーん、そちらの方々はそう思っているんだな」と感じることができました。
一番印象的だったのは、ノーベル平和賞を受賞したマララさんを襲ったボコ・ハラムについての解説。
− こうしたイスラム過激派の多くは、きちんとした教育を受けていません。イスラム教を正しく教えられていれば、「女に教育は必要ない」とはならないのです。過激派自身、十分な教育を受けることができない貧困の犠牲者でもあります。
− しかし、「世界の常識を教えてやる」式の上から目線の欧米風教育は、かえって反発を受けることも知っておかなければならないでしょう。
さあ、どうしたらいいのでしょうか。その答えは書いていません。
池上さんはそれを私たちに考えてほしい、と思ってニュース解説をしているんだな、と思っています。