前にも授乳とくすりの話を書きましたが、
産婦人科の担当をしているので、いろいろ情報を集めています。
当院の産婦人科は特に母乳育児に力を入れていて、
助産師さんたちがほんとうに一生懸命がんばっています。
ですので、私にできることでお手伝いをしています。
妊婦さん、授乳婦さんは基本的にはくすりを飲まない方がいい、
と、よく言われています。
その理由は、結局その影響が明確によくわかっていないからだと思います。
医学の研究というのは、最終的には、
同じような母集団の中で、
何かをした群としなかった群を比較して、
発生率や結果を見るしかないわけですから、
胎児や乳児に対するくすりの影響なんかは確かめるのが難しいのです。
ただ、そんな中でも、どうしても飲まざるを得なかった、
または偶然飲んでいたという症例を集めたデータは、
海外のものがほとんどですが、ある程度存在しています。
しかし、日本は非常に安全性を重んじる風土がありまして、
そういう海外のデータの活用は非常に限られていました。
ところが、10年くらい前からと聞いていますが、
アメリカでは母乳育児がすごく見直されていて、
アメリカ小児科学会からも、絶対的な危険がないくすりであれば、
飲んでいても、必ずしも授乳を中止する必要はなく、
むしろ母乳育児の重要性を重視するといったガイドラインが出ています。
日本でも、ようやく同じような動きが出て来て、
国立成育医療センターのホームページに、
このような授乳中に飲んでもよいくすりの
一覧表が掲載されるようになりました。
http://www.ncchd.go.jp/kusuri/junyuu.html
母乳育児は、母親と赤ちゃんの愛着が最も形成されやすく、
人間の成長過程において、非常に重要な役割を担っているそうです。
必要に応じてミルクを利用するのも悪くないのですが、
哺乳瓶でミルクを飲むのに赤ちゃんが慣れてしまうと、
母乳を吸ってくれなくなったりすることもあるそうです。
生まれたばかりの赤ちゃんをお母さんの胸の上に乗せると、
誰も教えなくてもおっぱいを探して自然に吸うそうですね。
私たちは哺乳類なので、当然といえば当然ですが、
でも、ものすごい生命の神秘を感じます!